Tsurugi 1.3.0 をリリースしました。

概要

本バージョンでは、BLOB, CLOB 型の対応が追加され、大容量バイナリやテキストデータの扱いが向上しました。
さらに、Rust製のTsubakuro-RustクライアントライブラリとそのC言語向けFFIラッパーが導入され、従来のJavaクライアントに加え、新たな選択肢が提供されました。

その他、SQL関数の追加やCLIの機能改善、各種バグ修正などが含まれています。

機能追加と改善

  • SQL

    • (試験的機能) BLOB, CLOB 型に対応
      • 本バージョンでは、BLOB, CLOB 型のデータを格納することが可能となりました。これにより、バイナリデータや大きな文字列データを格納する際に、従来提供していた文字列型やバイナリデータ型に代わる選択肢としてこれらの型を利用できます。
      • Tsurugi はインメモリ型のデータベースですが、BLOB, CLOB 型についてはデータをメモリ上には保持せず、ファイルシステム上に保存することでメモリの使用量を削減します。
      • その他、BLOB, CLOB 型は他の型とは異なる利用方法や管理方法、制約などが多く存在します。これらの詳細については、以下のドキュメントを参照してください。
    • SUBSTRING 関数に対応
    • (試験的機能) RTX使用時のテーブルデータの並列読み出し機能(Tsurugi 1.2.0リリース)の改善と安定化
      • 関連サーバパラメータ max_result_set_writers を追加
  • Client

    • (試験的機能) Tsubakuro-Rust: Rust/C言語 Tsurugiクライアントライブラリ
    • tgdump に オプション --sql, --single を追加
      • --sql オプションに任意のSQLを指定し、このクエリーに含まれるテーブルデータをダンプすることが可能となりました。
      • その他、 tgdump コマンドの詳細は以下のドキュメントを参照してください。
  • Distribution

    • Tsurugi Dockerコンテナの一部構成変更
      • Tsurugi Dockerコンテナでは Configuration file parameters で示すTsurugiサーバのデフォルト設定から一部デフォルト値を変更しています。本バージョンでは、 datastore セクションの log_location が 従来の var/log/tsurugi から /opt/tsurugi/var/data/log に変更されました。
      • その他、Tsurugi Dockerコンテナの設定については、以下のドキュメントを参照してください。

バグ修正

  • SQL

    • 集約関数の対象カラム値にNULLが含まれる場合、結果が正しく返却されないことがある
    • 多くのUNION句を指定したクエリーが実行できないことがある
    • WHERE句に COL >= X and COL < X のように指定したクエリーがエラーとなることがある
  • Endpoint

    • セッションタイムアウトの対象となったセッションが解放されないことがある
    • 高負荷時の通信時に稀にクライアント要求からの応答が返らないことがある
  • Client

    • tgsql コマンドで0以下の年が正しく表示されない
  • Distribution

    • 特定プラットフォーム上でのインストールに失敗する
    • Tsurugiのインストーラーで追加したArrowライブラリがOSアップデートなどにより削除されることがある

既知の問題

本バージョンに対する既知の問題、および本バージョンにて修正された問題の補足情報については、以下のリンクを参照してください。

その他

本バージョンにおける変更内容の一覧は、以下のChangelogを参照してください。

旧バージョンからのアップグレード手順については、以下のドキュメントを参照してくだいさい。